20160415,16 1789-バスティーユの恋人たち-(2)
お話レポとして1幕分書きましたが、そこに盛り込むとかなりのボリュームになってしまうので別記事にまとめることにしたのがこちらの内容。
感想とか考察とか妄想とか、色々ごちゃ混ぜで書いていこうと思います。
元々はこれを書こうと思ってたんだけど、色々細かく思いだそうと思って書き出してたら話を頭から思い返しちゃって(^^;
話のあらすじ書きながら思い起こしちゃったので、流れはそうだけどわかりにくくなる…!と言う事で思い切って記事を分けることにしたのでした(汗)
【それぞれのキャラクターの感想】
- 和樹さん(加藤和樹)
今回ロナンは和樹さんしか観ていないので、感想は彼オンリーで。
お話レポの中にも書きましたが、ソロでオランプへの愛を歌うシーン。
バラードっぽい曲調なのも有るのか、最近の歌手活動を目にしていなかった(舞台上の姿ばかり観ていた)私からすると、久し振りにアーティストの和樹さんの歌い方を観たような気がしました。
あぁ、こんな声で歌ってたなぁ。よくCDで聴いていた声だなぁって。
そう感じたのは、やはり舞台用に歌い方を変えていたという事なのかなぁ、と。
聞き慣れた声なんだけど、だからこそその中に、高音を歌うファルセットの響きにアーティストとしての和樹さんの歌声を感じたというか。
懐かしさも有ったし、和樹さんの歌声の良さや甘さ。粗野に見える役でも響いてくる切なさや憂いがより響き伝わってきたシーンだと思いました。
和樹さんはこういう、少し荒々しさが残る役が本当に似合っているなぁと思います。
ただただカッコ良くて綺麗な役も勿論似合うんだけれど、彼の熱くて真っ直ぐで一生懸命な心根がリンクするような役がとても良い味を出すと思うんです。
決してロイヤルを演じる事は(今の所)無いけれど、彼の親しみやすさや懐の深いところが、作品を観ていて入り込みやすいキッカケになっているような気もしています。
とにもかくにも、和樹さんが帝国劇場の主演を務めて、カーテンコールの一番最後に姿を現すのは本当に感動しました。。
皆が並ぶ時にも、その中心に居るのは、センターに立っているのは和樹さんで。もう感無量です。
こんな奇跡のような光景を目にする日が来るとは想像していませんでした。本当に、有難う御座います。
- オランプ
こちらは沙也加(神田沙也加)もねねちゃん(夢咲ねね)もどちらも観させて頂きまして。
沙也加はお人形さんみたいですよね。つるんとしてて声が高くて。歌のハーモニーとか綺麗でした。
田舎くさいと言われているとも聞きましたが、母曰く王宮に仕えてはいるけれど貴族の出ではないからそう見えておかしくないんだよ?!そういう設定…!と言われました。なるほど。
表情が大きく変わるという感じではないようですが、その分凛とした雰囲気を常に纏っていたんじゃないかと。
一方のねねちゃん。元宝塚娘役さんですから、あぁいう広がったお衣装の扱いは当然手慣れてますよね。
そういう所が、田舎っぽく見えるかどうかの差だったんでしょうか。
これまたレポの方で書きましたが、宝塚娘役さんだった事、先に沙也加の歌を聞いていた事から、ねねちゃんの声もあれぐらい高い気がしていて。
話し声を聞いてびっくり。歌声も聞いてびっくりの二度びっくりで御座いました。思ってたより低い…!ってね。
でも、恋した事や思いの強さが歌声の強さとリンクしてると思うと、ガッツリ聞こえてくる歌声にその力強さを感じますよね。
ねねちゃんのおまけ小話としては、観に行った回たまたまだと思うんですが、よく小道具が引っ掛かっていた事(笑)
ロナンに捕まりに行って、それをラマール達に助けてもらう流れの中で、助けてもらったもののロナンが使ってた棒が髪に引っかかっちゃってなかなか取れないというハプニング。
後ろを向いてる状態で外そうと頑張っているねねちゃんに、岡田君が手伝ってくれていたという。
その間ひたすら、ごめんなさい!ごめんなさい!お二人もごめんなさい!って言ってるねねちゃんが可愛かった。そんなに謝らなくても大丈夫だよ〜(笑)
2幕に入ってからでも1つありまして。フェルゼンにお手紙を渡すシーン。
教会で色々あって、何とかアルトワから解放されて無事に使命を果たせるのですが、カバンから聖書を取りだすのにも引っかかるという(笑)
いや、もうちょっと抜けなかったら再びごめんなさい!って謝っちゃうんじゃないかというギリギリのタイミングで無事に聖書を出す事が出来ました。良かった。
この2人の違いについて。
一番如実に違いを感じたシーンは、2幕の銃を突きつけるシーンではないでしょうか。
沙也加の場合、父から訓練を受けていたから、腕には自信が御座います!というその力強さと本気さ。
かなり説得力があって、外見の可愛らしさから想像するよりもっと腕が立つんだろうなと。
だからこそアルトワやラマール達に本気で当ててきそうな。容赦無く相手の体に穴を開けてきそうな勢いがありました。
かたやねねちゃんの場合。同じく、腕には自信が御座います!と言うんだけれど、思い切りの良さが伝わると言うか腹が据わっているというか。
あの場の勢いも有って銃を向けるから、本当には撃たないだろう、撃ったとしてもそこまで上手くは無いだろうという感じで相手側にはまだ余裕がある感じ。
ただ、少し鬼気迫る感じがあるので、この流れでぶっ放されたら変な所に当たっちゃうんじゃ…?!という妙な緊迫感があります(笑)
そういう所で2人のオランプの育ちの違いが少し見られる感じが面白かったですね。
- お花様(花總まり)
マリー・アントワネットも凰稀かなめさんのは観てないのでお花様の感想のみです。
この方は本当にさすがとしか言いようのない表現者ですよね。エリザベート・レディベスに引き続いて演じる3人目のロイヤル。マリー・アントワネット。
登場時の愛らしさや少女性が本当に可愛らしくって。楽しさと輝きに満ち溢れている。世界で一番幸せな王妃感が凄い。
シーン毎に変わるドレスも圧巻。何着あるんですか…!?っていう勢いで衣装替え多いですよね…。
フェルゼンとの恋にも熱心で。彼に会いたい、会いたくてしょうがない!何とかして!という熱烈な恋心を持っている。
そんな華やかで好きな事し放題な王妃様ですが、長男を亡くした事で打ちひしがれる。自分が他の人に愛情を注いでいた事への、神様が与えた罰なんだと嘆く。
この出来事がきっかけで、フェルゼンに会うのをやめようとする王妃様。
この2人の恋、愛はとても熱いですよね…。見ていて何とか上手くいってほしい、ってつい思ってしまうぐらい印象的でした。
- フェルゼン
今回宝塚OGさんの相手役となったヒロ(広瀬友祐)。
エリザベートの革命家二番手として小池先生の作品に出演し、カッコイイ!あの背の高いイケメンは誰だ…!と我が家でも話題になった彼。
私は彼が出るのは知ってましたが、彼の存在を知らなかった母すら彼に自然と目がいったそうで。
エルマーよりもあの子の方がカッコイイ!再演ではエルマーやったら?!とまで言わしめた。物凄い印象の残りっぷり。
花咲ける青少年でユージィンをやった時に、世界一の美貌を持つ男、みたいな紹介で。
いやいやぁ〜、それはさすがに無理でしょって妹と言ってたら、まさかの超イケメンが現れて度肝を抜かれた思い出…。
マジか…そんなイケメンに変貌するのか……って驚いたよね。
そんな彼が今回フェルゼンをやるという事で。宝塚版の1789を観ていた母からは、そんなに出番も歌も無いチョイ役やけど良いんかなぁ?と。
そう聞いていたのですが、私の中では全然チョイ役じゃなかったよ…!すっごく良い役だったし似合ってたしカッコ良かったしヒロに目を奪われてたわorz
立ち姿、振る舞い、カツラの似合いっぷり、殺陣の速さ。カッコ良かった。文句無しでした。
お花様の事を真っ直ぐに愛する彼の姿勢が凄すぎて。本当に熱かった。でも暑苦しくないの。純粋に彼女の事が好きで彼女の事を思ってて愛してて。
はぁ〜、凄かった。思い返す度にそれしか言えなくなる…。
フェルゼンのシーンはどこも印象に残ってます。直接会ってる時も良かったし、後の手紙を介してのやり取りが切なくて…。
1幕終わりで、手紙を送ったお花様とそれを受け取ったフェルゼン。あの一緒に生きていけない空気を感じ始める2人。観ていて辛くも切なくもありますよね…。
しかしこのフェルゼン、結構危ない場所に意外と自ら飛び込んできますよね。
王宮に直接姿を現すのは迷惑をかけるだろうから…って序盤遠慮しているんですが。
まぁ王妃様に直接会える機会ではありますがなかなか危ないと言われるパレ・ロワイヤルにやってきて。まぁ一騒動ありまして(笑)
その後王太子の葬儀の日にはこっそり教会に来てたり。
オランプが使者として王妃様からの手紙を遣わされた時、代理の者ではなく自ら取りに来ちゃうフェルゼン。
そしたらここでもアルトワやラマール達に邪魔されて一騒動(爆)
でも、王妃様から託された手紙を大切そうに胸にしている1幕終わり。でもその内容は貴方との別れなのよ…!と思いながら見つめてしまいました。
そして革命が起きようとしている時。王妃様の元に直接やってくるフェルゼン。
亡命した方が良い…!と強く訴えるけれども、共に行くとは言ってくれない王妃様。
そこに登場する国王陛下。密会ガッツリばれましたけど?!って内心凄く焦りました。
それでも思いを、貴方や貴方の家族を守りたいのだと訴えるけれど、国を出てはくれない両陛下を前に、為す術は無く。
痛いほど伝わってくるその固い決意をほどく事は出来ず。悔しさと辛さと、彼女や家族への愛と、この決断を受け入れねばならない立場と。
その全てを受け入れる為苦悩し、感情は昂り涙ながらに声を堪えきれず、しかし身を引くフェルゼン。
観に行った2日目はあまりにも悲しすぎて辛すぎて。感情が高ぶり過ぎたのか、その思いが堪え切れず彼の口から声が漏れてしまったのがとても印象に残っています。
それだけ彼女や彼女の家族の事を思っているのに、その思いが受け入れられる事は無くて。でもそこで感情をぶつけるのではなく必死に抑え、堪える彼は宝塚ベルばらのジェローデルのようでもあって。
最後まで貴族としての美しさ、凛とした姿勢を失わない、それ故により悲しく切なく映りました。
今回のソレーヌ役、やったら良いのに!と母が脳内キャスティングしていたソニンは実際に東宝版で起用されることとなりました(笑)
ソニンは本当に力あるなぁと…。
私はRENTのモーリーンから拝見していますが、モーツァルト!のコンスタンツェとかダンス・オブ・ヴァンパイアのマグダとか。
セクシーさもあるけど普通っぽくもある、そういう幅のある役を見事にこなしていかれるなぁと。
今回のソレーヌも、純粋な妹から商売女、そしてダントンの彼女へと作品の中で変わっていく。
歌も力強く歌う所では男顔負けの迫力もあったりして。
女たちの先頭に立つ勇ましい姿もあるけれど、ダントンの言葉を理解し聞きいれる賢さもある。
己の認識を改め、相手の手を取り和解する事が出来る柔軟さも持つ。
辛い環境に落とされても、時を経て立ち直っていく強さのようなものも見える。
そんなたくましさや女性らしさなど色んな一面を見せてくれたのでした。
- 吉野さん(吉野圭吾)
こちらも、母の脳内キャスティングで、アルトワは吉野さんがやってくれたら良いのにな〜!って言っていたのが現実となった配役でした(笑)
派手な服装に身を包み、ひたすら悪巧みをされてまして…。
自分が王座に就くことにしか興味が無い、そこにしか執着していないのがアルトワでした。
王の弟という立場が、王制という時代が、あのような人間にしてしまったのだな、と。
自分達はこの国の王族で神にも等しい。そう、我々が神であり全てなのである。そんな考えに取り憑かれた恐ろしい人物でした。
フランスの国王ならどうあるべきか、と王を甘言で釣ったりして。
革命が起こっている時も、国王が亡命しないと聞いてほくそ笑む。
己は亡命し、革命後に戻る。国王が居なくなった後に王の弟である自分が国に戻る事で、フランスの国王となれる!と喜んでいたけれど。
果たして本当にそうなると言えるのか。亡命後戻って来た時に、今と同じ国が残っていると思うのか。
王制が無くなってしまえば、王の弟だからと言って国王の座に就く事なんて出来なくて。
結局は贅沢の限りを尽くしていた事から処刑されてしまう未来しかないのでは…?と思わずにはいられなかった。
- 秘密警察組
最も笑いをかっさらっていった、皆がホッと出来る場?のラマール一味。
ラマール演じるサカケンさん(坂元健児)のカテコでの拍手大きかったもんな〜。それだけ皆さんの心を掴んでいたという事ですよね。
しかし相変わらずの声量お化けでしたわ…。どれだけ朗々と響きわたるんだと。
あ、通路をマジダッシュする時凄かったです。大声を発しながら駆け抜けていくサカケンさん。席が揺れましたわ(笑)
ちょくちょく出番やシーンがあって。
ロミジュリ等でも出演していた岡田君(岡田亮輔)やゴリ(加藤潤一)もサカケンさんを囲んで一緒にワチャワチャしておりました。
あの髪形とヒゲの外見何だか不思議だったけど(笑)似合ってるんだか似合ってないんだか(笑)
何かこう、芝居とサカケンさんの歌メインだったので、ちょっとしたダンスナンバーとかシーンが有ればより3人での良さが出せたのかなぁ?なんて思っちゃいました。
- 岡さん(岡幸二郎)
作品始まって一発目に歌い出すのが岡さん。威厳があってとても怖い役どころ。
ロナンをいじめにかかってるとしか思えないシーンにばかり関わっていて。心無い、ただただ厳しい人物だと思って観ていました。
軍を動かすことしか考えていないのかしら、と。
しかし、ペイロールという役は、レミゼで言うジャベールのようにあの生き方しか知らないし出来なかったのだ、と妹に言われて、そうだったのかと思い直しました。
国王には向かう者は皆処刑する。そんな生き方しか知らなかったのなら、確かにあの行動を取るしか出来ないだろうな。
そう思うと、少しペイロールの出演シーンを落ち着いて観る事が出来るようになりました。
- パパ達
序盤で開始早々に殺されてしまうロナンの父。あの方、その後王宮の良心である財務大臣ネッケルとして登場されてるんですよね。
ネッケルは民衆の気持ちをよくわかってくれてて。王宮と民の間をどう取り持って行けば良いのか、あの中では一番よくわかっていた人だと思います。
けれど、アルトワの言葉に流された国王はネッケルの意見を聞き入れず、民衆と対立する選択肢を選び取ってしまう。
あの時の、陛下にとって私はもはや何の役にも立たない存在になってしまったようですな。っていう所が辛い。あの人間違ってなかったのにって思う。
ネッケルの話になっちゃうけど、彼は民衆からもきっと自分達の事を多少わかってくれてるっていう評価だったんだと思う。
だからこそ彼が解任された事が号外となって、民衆が対立する気持ちを強めてしまうキッカケにもなる。
スイスの人だけれど、フランスの為に色々頑張ってくれていたのかなぁ。
かたやオランプの父。登場シーンはバスティーユとラスト辺りだと思うのですが、三部会の時に第3身分のもう一人の代議士として、あれ誰?って説明されてるおじさん。
あの急に現れた、貴族から第3身分の代表になった変わり者と言われてるのもこの方なんですよね。
パパ達は違った形で副業も務めておられるのでした〜。
【その他ザックリ感想】
そんな感じで個々について多少書いてきましたが、全体について。その他諸々をギュッとまとめて。
観に行って驚いたのが、セリの位置。
今回はコーラスがスタッフ表に書かれているように録音されていて、オケは無しです。
なのでオケボックスの位置まで舞台なのですが、その場所に早い(そんなに深くない)セリが作られてるんですよね。驚きました〜!
そこで人を回収していく素早さ、見事さ。いやぁ〜、驚きでした。あの位置のセリは発想に無かった!
そして、あの天井のような屋根が倒れていなくても若干斜めっている八百屋舞台。
レディ・ベスに引き続きですよね。出演者泣かせ…。
そして相変わらずアンサンブルさんの引き受けている役割が多いですよね〜。
早替えも多いし、一人で何役もこなしていらっしゃって。頭が下がります。
や〜、しかしダンスナンバーも多い作品で良かったです!
アンサンブルさんがかなりアクロバット出来る方々なので、アンサンブルさんが踊ったりパフォーマンスされるのは勿論迫力あるし色んな技が繰り出されるし。
その一方で、メインキャストがあれだけ踊る、身体を使う大舞台もそうないのかなと思いました。その分目新しく感じました。
とっても見応えがあって良かったです!!
今回のWキャスト制度。
お稽古場に潜入した映像を見ましたが、その話の中でペアをほぼ固定してお稽古してたとのことで。
和樹さんとお花様は固定で沙也加とねねちゃんでそれぞれ観劇してきたわけですが。
身長差や芝居の雰囲気の微妙な合い具合が、和樹さんとねねちゃん良い感じで。
観る前の予想では和樹さんと沙也加良い感じなんじゃないか?という想像だったんですが、ねねちゃんの方が合っているように感じた。
そこには、お稽古ほぼ同じ相手とやってたらそりゃあやりやすさとかも変わってくるよね…!と。
じゃあもうペア固定で良かったんじゃぁ…とも思ったけど、Wキャストの方が集客が良いですしね…。
何より、そうしちゃったら和樹さんとお花様が同じ舞台に立つ機会無くなっちゃうから良くない良くない…。
観に行った2日目が偶然和樹さん・ねねちゃん・お花様の組み合わせの初日だったそうで。
この3人で最後のカーテンコールで出てきたのですが、上手側に居るお花様を軽く誘導して下手側に行ってもらって。
これでお花様をエスコートして一緒に下手側にはけられる…!となったのに、お花様とねねちゃんが目が合っちゃって。
2人でキャッキャウフフして下手側にはけていっちゃって、差し出した手をガチで持て余しちゃう和樹さん可愛かった…(笑)
物凄くレアなものを観た気分でしたよっ。今回は残念だったけど、今度は手を繋いでお花様を無事にエスコート出来たら良いね…!!><b
何だかんだ書きましたが、Wキャストに関しては自分の好みで見られるのが良いところですよね。
色々見比べる事で改めてこの組み合わせが良い!好き!って思えるのも確かに醍醐味の一つですし。
上でチラッと触れたカテコなのですが。
和樹さんが一番最後に出てきてテンションが上がるのは言わずもがな!
しかしここで気になったカテコで出てくる順番が2つ。
1つ目は革命家。
ゆんと大ちゃんが並んでカテコで出てきてくれて。あぁ、この帝劇で再共演を果たしたのね…!と感慨もひとしお。
革命家3人ではなくてこの2人で出して下さるだなんて、小池先生有難う御座います…。
浸っていると次に出てくるのが上原さんとソニン。
で、あれ?って思うんです。え、役の比重としてはロベスピエールって革命家の3人の中でも中心人物じゃない?
貰ってるシーンもダントンそんなに多くないし。ソレーヌ確かに良いポジションだけど、1789で描かれる革命の中心に居るのはやっぱりロベスピエールの方じゃない?って。
そう思ったら、上原さん&ソニンが先に出て、その次にゆん&大ちゃんでも納得じゃない?自然じゃない??って。
母にも話したら、同じように思ってくれたみたいで。逆でも良かったのにね〜って。
という事はこれは、役の比重ではなく本人の比重なのかな、と。
まだまだ若手と言われるゆんと、今回帝劇初出演の大ちゃん。
かたやレミゼで革命を起こし続けた上原さんと、数々のミュージカルで功績を上げているソニン。
って見比べると、そっか、それは譲らないといけないのか…しょうがないのかな…ってなりました。
ミュージカル界にも序列ってあるよね、と。
そう思った案件がもう1つ。
最後の最後の方。オランプが出てくる。ん?ってなる。あれ、お花様出てき…てないねぇ?ってなる。
そしてお花様が出てきて和樹さんが出る。
ん?あれ??主役はロナンで。その相手役はオランプちゃんで。
え?じゃあ最後から2番目に出てくるのはオランプちゃんなのが普通じゃないの…??
でもその順番で出てくるのはマリー・アントワネット役のお花様。
ってなったらこれはもう、ご本人の大きさによるものかなと。思わざるをえない。
これも母に聞いてみて。不思議だよね〜って話になる。
が、宝塚版ではマリー・アントワネットを演じていたのはトップ娘役さんだそうで。
そういう意味では出る順合ってるかもよ?と言われる。
そ、そうか…。これは役順的にも合ってるのか…おぉぅ…。
と、最後のカーテンコールでまさかの不思議な気持ちに陥った私なのでした。
気になっちゃったの。どうしても。
【宝塚版と東宝版での違い】
これ、気になりますよね〜。気になる人は(笑)
また宝塚版のDVD見たら加筆するかもしれませんが。
まずは歌の違い。
お花様とフェルゼンがパレ・ロワイヤルで密会した時のお歌が違うそうですね。
母も舞台映像のPV見て、知らん歌2つあった!って言ってました。
そして、これはレポでよく言われてるそうですが、1幕ラストの歌。
宝塚版の1幕ラストの歌をいたく気に入っていた母や妹は変わっていると知ってショックだったそうな。
いや、しかし歌詞含め良い歌でしたよ…。
そんでもって、宝塚版ではデムーランが歌ってたお歌がフランス版ではソレーヌが歌っていた歌だそうで。
なので今回の東宝版では改めてソレーヌが歌う歌になっておりました。
え、じゃあデムーランが歌うお歌はどうするの?と、ここでまさかの書き下ろし登場ですって…!
続きましてシーンの有無です。
今回の東宝版には新たに作られたシーンがありまして。
序盤のロナンと革命家2人の印刷所でのシーン。このシーンは宝塚版には無かったそうです。
そして2幕で民衆と軍隊が激突するシーン。
宝塚版では民衆と軍隊が対峙するシーンにロナン達は居ないそうですが、東宝版ではガッツリ出くわしてしまう。
妹は見ながら、これこのまま行ったらロナン達まだ居るけど?!え、どうするの?!って思ったそうです。
そして革命後のシーン。宝塚版ではオランプに選択をさせ、王宮に残ることを決めたシーンで王妃様の出番は終わりだそうで。
それ故に最後あの姿で登場するとは夢にも思わなかったとのこと。でもこのシーンがある事で、改めて今回の東宝版でのテーマをよりわかりやすく伝えていると思います。
宝塚版と東宝版での違い。歌。1幕ラスト。シーンの有無。革命家3人、処刑。民衆との激突。
【パンフレットから想像した事】
上で少し触れましたが、今回の東宝版を上演するにあたって小池先生は2曲新曲を発注されたそうです。
その曲のタイトルは、革命の兄弟。それと、武器を持て。
革命の兄弟は、ロナンとロベスピエールとデムーランのシーンで歌われる歌。
このシーンは宝塚版に無かったシーンなので、正しくこの為に作られた歌ですよね。
本当に有難い。改めてそう知って観ると、また違う感慨深さも出てきます。
この3人だけのシーンで、彼らだけの為の曲が用意されている。何度考えても有難い話です。
そして、武器を持て。これはデムーランが民衆に向けて歌う歌。
皆で歌っていく中で革命家がコーラスに入ってきたりもする、とても力強く盛り上がるナンバーです。
この2曲が新曲、という扱い。
しかし、宝塚版の違いでも書いたように、お花様とフェルゼンが会った時に歌う歌も宝塚版には無かったのですが、新曲としては書かれていなかったんです。
つまりフランス版のサントラ(?)には有った曲で、宝塚版では使っていなかった曲だったということです。
が、しかし!この2曲は発注した、ということはやはり一から作ってもらった可能性が高い。つまり、今回の為に書き下ろされた曲!
そしてこの2曲に共通しているのが、デムーラン。そう、大ちゃんなんです。
先生が発注して追加された新曲では、大ちゃんの歌う曲が増えている、という事なんです。
そう思って聴くと、武器を持てのメロディーはこれまでデムーランが歌ってきたキーの中では低めの方なんじゃないかな?と。
今回のフレンチ・ロックの楽曲はキーが高いという事もあり、皆の歌声が高めなんですよね。
勿論音の入りが高いので少し大変そうな所もありますが、そんな中でも大ちゃんらしい歌声を聴く事が出来る楽曲に仕上がっているんじゃないかなと、そう感じました。
ちょっとここから話を広げて。
市街地戦のシーンなんですが、ロナンと革命家3人でメインキャスト4人居るんですけど、何故か大ちゃんだけ上手側で3人は下手側という謎の別れ方が発生。
大ちゃんはその上手側でアンサンブルさんと一緒に踊るんですよね。
という事は、踊れる認定ってことなの?(踊れるゆんが下手側に居るのは?ってのは言いっこなしです←)
そして歌も貰ってるし歌える認定もあるの?ってことはこれ、小池先生に気に入って頂けたのかしら?!
と、大ちゃんの事が結構好きだった私は妄想を広げて舞い上がっております(笑)
【小池先生の言葉を借りて】
こちらもパンフレットからの話なのですが。掲載されていたお言葉を借りて。革命家3人のお話。
人は皆等しく平等である。その権利がある。その世の中を現実のものとするために、理想の世の中を手にするために戦うロベスピエール。彼は冷と例えられる。
ロナンが亡くなった時にすぐに駆けつけてくれる。悲しみにくれるダントンの肩に手を置いてくれる。
自分の感情はあまり表には出さないけれど、彼の優しさや悲しさもちゃんとわかってるし自分も感じている。
だからこそ、彼の死を無駄にしない為にも、理想を必ず掴む為に進んでいく。人権宣言のシーンでの彼の熱さがそれを物語る。
ゆんに関して言うと、ゆんに似ているパペットのロベスピエールも、人形として操られるゆんも素敵。
あの人形感。角度。身体の使い方に加えてあの無表情感がますます人形っぽさを出していてホントそこばっかり見ちゃいます。
1幕ラスト辺りの抗議シーンでは傷ついた男性アンサンブルを気遣うゆん。女性アンサンブルさんには触れない徹底っぷり(笑)
あ、これは宝塚版でも共通だそうですが、サイナモナムールで彼女が現れたこと無かったのにこのシーンに限り彼女発生(爆)
しかし他のどのカップルよりも距離があるゆん。形だけ感が凄い(笑)
革命に立ち向かっていく時、皆は名残惜しそうに彼女から手を離すけど、ゆんだけは、はい、終わり。みたいな空気が出ている。自分から手を離させて相手を制する感じが凄い。ど、どんだけ…!
いやでもね、そんなこと言ってますけど、革命家の皆と一緒に居るシーンでは、これまでの作品(エリザベートやレディ・ベス)であまり見られなかった自然な笑顔がよく観られて凄く嬉しかった。
そんな素敵な微笑みを浮かべる貴方も観たかったよ、と。私にとっては色んな所が貴重すぎる有難い舞台です。ホント。
小さな子どもにも優しく愛を向けられる、商売女でも本気で好きになって仕事も紹介しやり直させてあげる。懐の深い愛を持った男ダントン。彼は熱と例えられる。
弁護士な彼ですが、シャルロットちゃんにすら私にも選ぶ権利ってものがあるわ!と彼女になるのを断られる程モテないダントン。
あんなにも相手に情熱を注いでくれる人なのにモテない設定なのは本当に意外でした。
しかし、別の土地(レミゼ)で革命を起こしまくっていた頃にも居なかった彼女が今回は出来た!おめでとう上原さんっ!(笑)
彼のシーン、と言われると少ないかもしれないけれど、ソレーヌとの絡みで良いシーン多いですよね。
パン屋に怒りをぶつけるソレーヌを止めて、正しい道へと導いてあげる。わからせてくれる。
見放したり怒鳴りつけたりするのではなく、ちゃんと立ち直らせてくれる所が彼の良い所だなぁと思います。
革命家3人の中では一番大人で一番常識人な彼。そんな彼の良さをとても魅力的に表現してくれていますよね。
皆が夢を持って良い。理想を持って突き進んで良い。誰もが助け合い手を取り合う世の中にしたい。仲間を大切に思うデムーラン。彼は暖と例えられる。
兵士に囲まれた時、彼女だけでなくロナンすら守ろう庇おうとするデムーラン。それは兄弟であり仲間だから。彼の男らしさ。偽りない真っ直ぐな思いがよくわかる。
ラストシーン、ロナン!と一番に声をかけてくれる仲間は彼。いかに彼がロナンの事を大切に思ってくれていたのか。
多くの人に愛を持って接していた、随所に現れる彼の優しさ。
デムーランが皆に向けてくれる暖かさは、大ちゃんに重なって思えたりして。
役自身が思い描いている、皆が愛を持って接し、愛に満ちた世界であってほしいという未来に向けた革命への姿勢。
そして、大ちゃんが周りの人を気遣っていつも皆が笑顔で居られるように行動してくれている、そんな彼自身の持ち味。
そういった部分が上手くリンクして、正しく暖という言葉がピッタリな人物だと思いました。
次に、今回のテーマの話。
東宝版では、天と地。その間を駆け巡るオランプ。というのがテーマにあるそうです。
この事を意識して舞台を観ると。王宮組は常に上段に位置しているんです。いつでも雲の上。天上人。手の届かない存在。
かたや民衆は高い所に居る事は有りません。いつだって地の上に存在していて、そこで暮らしている。
1幕ラストの抗議シーンは特にそれが如実に表れていると思います。
屋根部分の構造が下がって来て。そこを隔てて下から懸命に訴えかける地に居る平民と。
その一線の上に立ち、まるで彼らの声など聞こえていないような天に居る王宮側の人々。
くっきりとここでは天と地の差が示されていると感じます。当時の大きく隔たりがある世界、時代がそこには表現されていました。
天と地の間で行き来を繰り返し、オランプは地に生きる事を選ぶ。
そして革命が終わったその時、全ての人は皆地に等しく並び。そしてロナンだけが天に昇っている。
彼は決して大海の藻屑ではなかった。例え名も無い農民だとしても、あの革命において大きな役割を果たした。
例え歴史には残らなくとも、彼の存在が時代を変え、世の中を動かしたのだと。
この天と地というテーマの描かれ方は、演出を通して常に表現されていて。
この作品に新たな奥行きを与える描かれ方となっていました。
【番外編】
今回の1789出演で大躍進を遂げたと言える大ちゃん。
そんな彼は来年上演されるロミオ&ジュリエットでティボルト役に抜擢されましたね。
私個人としてはベンヴォーリオをやって欲しかった…。
激しい熱さを持つ男より、友を想う優しさ、彼の為に苦しみ悲しむ大ちゃんが観たかった。
大ちゃんがベンヴォーリオは無いわ。と昔、事も無げに家で言われて傷ついた私。
確かにその通りになっちゃったけど、でも、この作品には出演出来た!と喜ぶ事にしました。
宝塚版ではティボルトは男役二番手さんの役どころだそうで。
そういう意味では今回の役から一気に格上げか?とも思うところ。
これに関してはヒロも然りですよね。同じティボルト役を演じるわけですから。
我が家で話題になっておりましたが、新演出版で再再演のエリザベートがあれば今度こそヒロがエルマー獲得しちゃうのかしら。
見せ場で考えると、ベンヴォーリオはソロ1曲で、芝居力が必要とされるポジション。
一方のティボルトは、出番も多く人との関係性も多い。叔母、ジュリエット、ロミオ等色んな人と絡むので話も多い。
そういう意味ではやはりベンヴォーリオよりもティボルトの方が格上の役なわけで。
もう飛び越えちゃった役に戻ってくる事は無いだろうけど、ロミジュリ出演は素直に喜んでおります。
あ、平方(平方元基)みたいにティボルト後のベンヴォーリオっていうパターンも無くは無いのか…。
良いやら悪いやら?ん、でもその後のベスでフェリペやってるから扱いが下がったわけじゃないな。
じゃ、じゃあベンヴォーリオする事もあるかも?って期待持ってても良いかなぁ…!
さらにおまけ話だけど、和樹さんは愛は実るけれども共には生きられない定めが多いですよね。
ロビンもロナンもそうですし。そしてお話で描かれる最後には、一緒には生きていけなくなってしまう。
ティボルトは愛も実ってないけど、好きな人であるジュリエットと一緒にはなれないという点では共通してますよね〜。
なんていうまとめ(笑)今後どんな役を演じていくか楽しみですっ!